家庭菜園でレモングラスを育てよう!栽培方法をプランター・地植え別に解説

家庭菜園でレモングラスを育てよう!栽培方法をプランター・地植え別に解説

レモングラスはイネ科植物の一種で、薬効効果のあるハーブとして古くから親しまれてきたものです。

レモングラスはハーブティーにしたり料理に利用したりと、ご家庭でもいろいろな用途に使用できるのも嬉しいポイントです。

そんなレモングラスですが、生の物を入手するのは意外と難しい一方で、生育旺盛で家庭でも栽培しやすい植物なので、利用したい場合は家庭菜園で育てておくと便利です。

ここでは、そんなレモングラスの栽培方法について解説します。

栽培のポイント
  • 大きく育つのでスペースを確保する
  • 寒さに弱いので冬越しの際は低温に当てないよう注意する
  • 日当たりや風通しの良い場所で育てる
  • 種は流通が少なく、苗から育てるのが基本
  • 葉が鋭いので手を切らないよう取り扱いには注意が必要
科名イネ科オガルカヤ属
別名レモンソウ レモンガヤ など
原産地熱帯アジア インド
分類多年草(ただし寒さに弱いため一年草として育てる場合もあり)
耐寒性弱い
目次

家庭菜園でレモングラスを育てるコツ

寒さに強いので越冬時は工夫が必要

レモングラスは暑さに強く日本の蒸し暑い気候でも育てやすい反面寒さには弱く、5℃以下の気温に耐えるのは難しいとされます。

経験的にはマイナス7℃にも耐えました。

レモングラスは多年草なので、冬越しさえできれば毎年同じ株で収穫できますが、その場合は室内で管理する・マルチングを利用して寒い気温から守るといった工夫が必要になります。

無理して冬越しを行わず、毎年新しい苗を購入して育ててもOKです。

大きく育つので十分なスペースを用意する

レモングラスは鉢植え・地植えともに可能ですが、適切に管理すれば高さ1mを超え大きく育つ植物で、狭い場所だと生育が悪くなる可能性があります。

大きく育つほどたくさん収穫できるので良いですが、その分スペースも必要になります。小さな鉢だと十分育たない場合もあるので、なるべく十分なスペースを確保して栽培すると良いです。

苗から育てることが多い

レモングラスは種の流通量があまり多くないので、苗から育てる場合が多いです。

苗をそのまま購入すれば育苗失敗のリスクも少ないので、家庭菜園では種ではなく苗から育てるのがおすすめです。

日当たり・風通しの良い場所で育てる

レモングラスは日当たりの良い環境を好みます。半日蔭でもある程度は育ちますが、日陰であまり日照時間が確保できないような場所だと、うまく育たない場合もあります。

またレモングラスはよく葉が育ちますが、その結果蒸れやすいため、風通しの良い環境で育てると生育が良くなります。

家庭菜園でのレモングラス栽培を始めるには種から?苗から?

レモングラスの栽培は種からでも苗からでも可能ですが、苗から育てるのが一般的です。

種から育てること自体は可能ですが、種はあまり流通しておらず、苗のほうが入手が容易です。また苗だと育苗を失敗するリスクが少なく、初心者の方でも手軽に始めることが可能です。

なお種に関しては、流通量が少ないため一般的なホームセンターなどだと販売されていないことが多いですが、通販であれば購入することも可能です。

レモングラスの種まき時期

レモングラスの種まき時期は4~6月ごろが目安です。気温が低いと発芽しないので、十分暖かくなってから種を播きましょう。

レモングラスの植え付け時期

レモングラスの植え付けの適期は5~6月頃ですが、植え付けそのものは9月~10月頃まで行えます。

ただしレモングラスは真夏の時期(7~8月頃)によく生長するので、冬越しをしない場合は、夏の初めごろまでに植えておいた方が株を大きく育てられるうえ長く収穫を楽しめます。

レモングラスの収穫時期

レモングラスの収穫時期は6-10月頃が目安です。葉が15枚以上に育てば、収穫ができる頃合いになります。

家庭菜園でのレモングラス栽培に適した場所

レモングラスは日当たり・風通しの良い場所を好みます。半日蔭でも育たないわけではないですが、日照時間が短い日陰のような環境だと生育は悪くなってしまう傾向にあります。

レモングラスの最適土壌pHは6.0~7.0程度で、酸性土壌には弱く土壌が酸性に傾いている場合は石灰を散布しpHを調整する必要があります。

レモングラスはイネ科植物であり、連作障害は基本的にないので、同じ場所で続けて育てることが可能です。

レモングラスの生育適温

レモングラスの生育適温は25~30℃程度とされ暑さには強い反面、あまり寒さには強くありません。

レモングラスは本来は多年草で何年も育てられますが、冬越しをするには最低でも5℃前後をキープする必要があります。そのため暖かい地域では冬越しも可能ですが、そうでない地域で冬越しをするには、冬場は鉢植えにして室内に入れるなどの工夫が必要になります。

耐寒性弱い
耐暑性強い
好適土壌pH6.0~7.0
連作障害なし

家庭菜園でのレモングラス栽培で用意するもの

レモングラスを栽培するうえで主に必要となるものは以下の通りです。

プランターでバジル栽培を始める場合

  • 鉢またはプランター
  • ハーブ用の培養土
  • 鉢底石や鉢底ネット
  • レモングラスの苗
  • ハサミ(収穫時などに使用)

地植えでバジル栽培を始める場合

  • 石灰
  • 堆肥
  • 元肥
  • レモングラスの苗
  • ハサミ(収穫時などに使用)

レモングラスの種まきの方法

レモングラスの種まき時期は4~6月です。発芽適温は20~25℃程度と高めで、レモングラス自体寒さには強い植物ではないので、十分に暖かくなって遅霜の心配がなくなってから種をまきます。

種はポットに播くのが一般的で、ポットに土を入れて、その中に1ポットあたり2~3粒程度の種を播いてください。覆土は1cm程度で、種を播いた後は乾燥しないよう注意して管理します。

日に当たると乾燥しやすくなるので、発芽までは日陰で管理すると良いですが、発芽したら日なたに移動します。

芽が出て大きさ5cm程度になれば、最も成長の良いもの1本を残し、それ以外は間引いておきましょう。その後大体10cm程度まで育てば、植え付けが可能です。

家庭菜園でのレモングラスをプランターで栽培するときの植付方法

レモングラスはプランターや鉢での栽培も可能です。レモングラスは大きく育つので、可能であれば大き目の鉢を用意し、必要に応じて植え替えや株分けをしていきましょう。

またしっかり根が張れるよう、なるべく深めの容器(できれば30cm以上)を使用すると良いです。

用土作り

レモングラス栽培で使用する用土は、ホームセンターや園芸店などで売られているハーブ用の培養土を利用するのが良いです。メーカーによって多少の違いはあるでしょうが、ハーブ用の培養土であれば、基本的に買ってきてそのまま使用できるので便利です。

植え付け方法

用意したプランター・鉢に鉢底石(または鉢底ネット)を敷き、培養土を投入します。

培養土を投入したら、レモングラスのポットが入る程度の穴をあけ、ポットからレモングラスの苗を取り出して植え付けを行ってください。

レモングラスはプランターや鉢で育てる場合、1鉢あたり1株が基本ですが、プランターで複数植える場合は株間を30cm程度は確保して植え付けるようにしてください。

水やり

水は土表面が乾いた際にたっぷりと与えるのが基本です。

レモングラスは特段多くの水を必要とする植物ではないですが、プランター栽培の場合、地植えと比べると乾燥しやすいので、水やりを忘れないようにしましょう。

家庭菜園でのレモングラスを地植えで栽培するときの植付方法

用土作り

レモングラスは酸性土壌は苦手なので、植え付け2週間前までに石灰を散布し、pHを調整しておきます。その後元肥と堆肥または腐葉土を投入したら、植え付けの準備が完了します。

植え付け方法

プランター栽培の場合と同じように、ポットがすっぽり入る程度の穴をあけ、苗をポットから取り出して植え付けを行います。

地植えでレモングラスを複数育てる場合、株間は50cm程度を目安にします。大きく育つので、株間は十分確保しましょう。

水やり

地植えで育てている場合は基本的に水やりは必要なく、雨に任せることが可能です。

ただし植え付け直後の根が張るまでの時期、雨が降らず極端に乾燥する時期などは、株の様子も見つつ水やりを行うと良いです。

レモングラスの収穫

レモングラスは葉が15枚以上、葉の長さが30cm以上になったころから収穫が行えます。収穫の際は地面から10~15cm程度上側の位置で葉を切り取ります。

この際、株の外側にある葉から収穫していくのが基本です。レモングラスは葉が鋭く、収穫の際にそのまま手で収穫しようとすると手を切ってしまう場合があるので、軍手をはめたりハサミ等を利用するなどして収穫しましょう。

また、茎ごと収穫したい場合は、地面に近い位置で茎元から切り取って収穫します。

レモングラスは生育旺盛で、そのままだと過繁茂になって蒸れてしまい株の調子が悪くなってしまうこともあります。それを防ぐためにも、ある程度の大きさに育てば適宜収穫していきましょう。

ただし、全ての葉を収穫してしまうとそこで収穫が終わってしまうため、一度に全部収穫せず、外側から少しずつ、最大で1/3程度を目安に収穫していくようにしてください。ただし冬越しの前段階の最終収穫の際には、全ての葉を刈り取ります。

レモングラスの追肥

レモングラスは5~10月頃の成長期には適宜追肥を行うと良いです。

施肥の間隔・施肥量は実際に使用する肥料のパッケージに記載されている量を参考にし、与えすぎには注意してください。また、ハーブ用の肥料も市販されているので、そういった肥料を追肥に使ってもOKです。

レモングラスは特に7~8月頃の真夏はよく育つので、その時期には特に肥料を切らさないようにすると、大きく育ちます。

レモングラスの植え替え・株分け

レモングラスは生育旺盛で大きく育ちます。そのため特に鉢植えの場合は次第に手狭になるので、より大きな鉢に植え替える植え替えをしたり、複数株に分ける株分けをしたりする必要があります。

地植えの場合は植え替えは必要ないですが、株分けをするとレモングラスを増やすことができるので、頭の片隅に入れておいてください。

植え替え

レモングラスは生育旺盛であり、鉢植えの場合だとすぐに手狭になってしまうため、定期的に植え替えを行うことで大きく育てられます。

植え替えは春から秋の温度が高い時期であればいつでも可能で、鉢全体に根が回ったころが植え替えのタイミングです。

植え替えの際は現在植えているものより大きな鉢を用意し、鉢から株を取り出し、新しい鉢に植え付けをしてください。

株分け

レモングラスを増やしたい場合、株分けで増やすことができます。レモングラスはあまり花が咲かず、種で増やすのは難しいため株分けで増やすのが基本です。

また植え替えをしたいけど大きい鉢を用意できない場合も、株分けを行うのが便利です。

株分けは春から秋にかけての気温の高い時期であればいつでも行うことができます。1株当たりの茎の数が3~4本程度になる程度を目安に、根を傷めないように注意しつつ株を切り分けてください。

株がある程度小さければ手で分けることもできますが、ある程度大きい場合は手だと難しいので、ハサミなどを使って切り分けると良いです。

後は切り分けた株をそれぞれ別の場所に植え付ければOKです。

レモングラスの冬越し

レモングラスは耐寒性が低く5℃以下の低温には耐えられないので、冬越しをするには適切な管理が必要になります。

冬越しの準備として、10cm程度を残してすべての葉を刈り取ります。ここで刈り取った葉も同じようにハーブティーなどに利用できるので、捨てずにおいておきましょう。

鉢植えの場合は、夜間は室内に入れて管理するなどし、低温にさらされないよう注意すれば、冬越しをして来年も育てることができます。

地植えの場合は、株ごと掘り上げて鉢植えにして室内管理するのが、保温という点においては確実な方法です。

比較的暖かい地域であれば、株元に腐葉土や藁などでマルチングをして保護しておくことで冬越しができます。一方で比較的寒い地域の場合、地植えのまま冬越しをするのはやや難しいですが、株をビニールなどで覆い、少しでも温度を高める工夫をすれば越冬できる可能性はあります。

うまく冬越しができれば、レモングラスは4月頃から再び芽吹いてきます。

レモングラスの病害虫

レモングラスは基本的に病害虫の発生が少ない植物です。

レモングラスのレモンの香りはシトラールというレモンにも含まれる香り成分に由来していますが、この成分は虫よけ効果があるとされていて、そのこともあってレモングラスは他の植物より害虫の発生が少ないです。

またレモングラスは病気にも比較的強いため、さほど心配は必要ありません。ただし水をやりすぎたり風通しのよくない環境で育てていると、根腐れを起こす等生育が悪くなることがあるため、他の植物と同じように生育環境には気を配っておきましょう。

レモングラスの豆知識

イネ科オガルカヤ属に分類されるハーブの一種で、その名の通りレモンのような香りがします。別名として「レモンソウ」「レモンガヤ」などと呼ばれる場合もあります。

レモングラスの香りは「シトラール」という香り成分が含まれていることに由来していて、この成分はレモンがもつものと同じです。

レモングラスはハーブティーに利用されるほか、香りづけなどの目的で料理に用いられることもあります。

またレモングラスの香り成分であるシトラールには虫よけ効果があるため、虫よけスプレーなどにも利用されることがあります。

インドや東南アジア等に分布する植物で、葉の大きさは1mほど、高さは1.5m程度に達するなど、相応のスペースがあれば大きく育ちます。

レモングラスの種類

レモングラスが属するオガルカヤ属に属する植物には世界には50種以上があるとされますが、その中の代表的なものは西インド種(ウエストインディアン・レモングラス、Cymbopogon citratus)、東インド種(イーストインディアン・レモングラス、Cymbopogon flexuosus)の2種類が挙げられます。

日本で一般的にレモングラスと呼ばれるのは、その中の西インド種のレモングラスで、単にレモングラスと呼ぶ場合は通常この西インド種をさします。

この2種類は根元の部分の色で見分けることができ、西インド種は根元が白っぽい色である一方、東インド種は根元が赤っぽい色をしています。

西インド種は料理やハーブティーなどに利用しやすい種類であるため、家庭では一般的に流通している西インド種をそのまま育てるのが良いでしょう。なお東インド種のレモングラスはインドの伝統医学に利用されたり、精油などに利用されたりしています。

そのほかのレモングラスの仲間としては、シトロネラ油の原料になるジャワシトラネソウ、パルマローザ油の原料になるパルマロサグラスなどがあります。

レモングラスの栄養・効能

レモングラスは昔から薬用として利用されることもあり、様々な効果が期待できるハーブとされています。

レモングラスはカリウムや鉄などの栄養成分も含まれているほか、消化促進効果やリラックス効果が期待できるハーブとされています。

また抗菌効果があるハーブとしても知られていて、風邪や水虫の対策に使われることもあります。

レモングラスのスーパーでの価格

レモングラスはスーパーではスパイスの販売コーナーに売られていることがあり、その場合の価格は1つあたり200~400円程度で売られています。

一方で、一般的なスーパーにおいて生のレモングラスが売られていたりすることは基本的にありません。店舗で探すのは基本的にハードルが高く、強いて言えばハーブの専門店等で売られている可能性がある程度と思われます。

生のレモングラスが欲しい場合は、インターネット上で探すか、自分で栽培をするのが良いでしょう。

レモングラスの保存方法

収穫した葉は洗ってハサミ等で刻んだ後、水気をふき取って室内の風通しの良い場所で干して乾燥させておけば、長期間保存ができます。干す時間は10日程度が目安です。

干さない場合は同じようにハサミで刻んで水気をふき取った後、ジップロックなどの袋に入れて冷凍保存しておくと良いです。

レモングラスについてQ&A

虫よけに使えますか

レモングラスの香り成分には虫よけ効果があり、蚊などの厄介な虫を防ぐのに役立ちます。虫よけとしてレモングラスを使いたい場合は、スプレーにすると使用しやすくなります。

スプレーを作る際にはレモングラスのオイルを使ったり、レモングラスをアルコールに漬けてチンキを作成すると良いです。そういったものを用意すれば、家庭でも虫よけスプレーを作成できます。

レモングラスは犬が食べても大丈夫ですか

レモングラスは基本的に犬が食べても問題はないとされます。

ただし他のハーブにも言えることですが、刺激の強い植物であることに加え、繊維質で消化が良いわけではないので、多量を与えるのは避けた方が良いかもしれません。

家庭菜園でレモングラス

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