ミョウガ好きの愛犬家の方であれば、ミョウガをあなたの愛犬にも食べさせてみたいと思うこともあると思います。
一方で玉ねぎを筆頭に、犬が食べると調子を崩してしまう野菜があることも事実です。
そのため、ミョウガを与えても愛犬の健康に害はないか?気になるのではないでしょうか。
ここでは「ミョウガは犬が食べることができるか」をテーマに、ミョウガを犬に与えるメリットやデメリット、注意点について解説していきます。
犬にミョウガを食べさせても大丈夫!ただし、量に気を付ける
結論から言えば、「犬にミョウガがを食べさせるのは大丈夫だが、量に注意する必要がある」ということになります。
というのも、犬にとってミョウガはメリットとデメリットが双方存在し、適量であれば犬の健康に貢献できる食べ物でもありますが、食べ過ぎると強いデメリットが出てしまうこともある食物だからです。
ミョウガには消化を助ける成分が豊富に含まれているため、犬の健康維持にも役立ちます。
ただし、与える際には注意点があり、ミョウガは細かく刻んでから与えることが大切です。
また、食べ過ぎにも注意しましょう。
犬の体重に対して与える量は、1日に1%程度が目安とされています。
茹でて与えてもOK
ミョウガは犬も生で食べることができますが、刺激の強い野菜であり、犬が積極的に好むかは疑問符がつきます。
しかし、茹でることで刺激を緩和でき犬にとって食べやすくなる効果が期待できます。
加熱することで消化も良くなるため、茹でて与えるのも良いでしょう。
細かく切って与える
ミョウガに限った話ではありませんが、犬に野菜を与える際は消化を良くするよう細かく刻む必要があります。
犬は食べたものをあまりかまずに飲み込む癖があり、野菜の消化も得意ではありません。
そのため細かく切ってから与えないと、消化不良を起こしてしまいます。
ミョウガに多く含まれる食物繊維は摂りすぎると消化不良を助長してしまうため、特に注意が必要です。
切る際にはミョウガの繊維を断つように切ることで、より消化がしやすくなります。
切った後には軽く水にさらしてアクを取っておきましょう。
新鮮なみょうがを与える
ミョウガは傷みやすい野菜で、冷蔵庫では基本的に2~3日程度しか保存することができません。そのため、犬に与える際も鮮度に注意する必要があります。
湿らせたキッチンペーパー等を使ってミョウガを包んで乾燥を防ぎ、保存袋で保存することで、幾らか長く保存することも可能です。
長く保存したい場合は、カットして水気を切り、冷凍庫で保存することもできます。
その場合は人間と同じように加熱してから使うと良いでしょう。
犬がミョウガを食べるメリット
犬がミョウガを食べるメリットとしては「犬が必要とする栄養素が豊富」という点が挙げられます。具体的に言うと
- αピネン
- 葉酸
- カリウム
- 食物繊維
- ビタミン
などが挙げられます。これらの栄養物質の、犬にとっての効能は主に以下の通りとなります。
αピネン
αピネンとは、ミョウガに含まれる芳香成分の一つで、「血行を良くする」「神経の興奮や眠気を抑える」など、犬にとってうれしい効果があります。
ちなみにこの成分はマツや杉などの多くの針葉樹にも含まれていて、人間にとってもリラックス効果があり、森林浴にリフレッシュ効果がある要因の一つがこのαピネンといわれています。
葉酸
葉酸は水溶性ビタミンの一種で、人間にとっても赤血球の形成やDNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の合成にも関与する大切な栄養素です。
この栄養素は犬にとっても重要で、貧血予防や細胞増殖等に寄与し、特に妊娠期には重要になる栄養素です。
もともと犬は腸内で葉酸を合成することができる生き物ですが、どの程度の量を合成できるかは明らかになっていないようで、食物からの摂取をすることでより確実に摂取できます。
カリウム
ミョウガには210mg/100g程度のカリウムが含まれています。カリウムは細胞が正常に機能するために必要なミネラルの1つです。
ナトリウムとともに酸塩基平衡(体内の酸性物質とアルカリ性物質の均衡を保つ役割)において非常に重要な役割を果たします。
また、神経刺激の伝達やエネルギー代謝などでも重要な役割を果たしているといわれています。
食物繊維
ミョウガには2.1g/100gの食物繊維が含まれるとされています。
食物繊維は体内で消化されるものではありませんが、整腸作用があります。
食物繊維の適量摂取により、食物の腸内通過時間を適切に確保し、栄養素を吸収しやすくなります。
また、腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減らす効果もあります。
ビタミンK
ビタミンKは、血液凝固などにおいて必要で、酵素の補助因子としても働くビタミンです。
また、骨の健康維持にも重要な役割を果たしており、緑黄色野菜や大豆製品などに多く含まれています。
ビタミンK不足は、出血や骨粗しょう症のリスクが高まることが知られています。
ビタミンB1
ビタミンB1は神経系の機能を果たすために重要な役割を担うビタミンです。
欠乏すると様々な不調が出ることもあり、きちんと摂取したい栄養素の一つです。
ビタミンB2
皮膚の健康維持にかかわるビタミンで、被毛をつくるために必要なビタミンともいわれます。
また、酵素の機能においても重要な役割を果たします。
犬にミョウガを与える前に知っておくべきこと
犬は多くの野菜を食べることができますが、玉ねぎなどのネギ類には、犬にとって毒になる成分が含まれている野菜もあります。
ミョウガも、絶対食べてはいけないわけではありませんが、多量摂取により犬が体調を崩す可能性もある野菜です。
- 下痢や嘔吐を起こす可能性
- まれに食物アレルギーを起こす
下痢や嘔吐を起こす可能性
先ほども述べたように、ミョウガには食物繊維が多く含まれ整腸作用をもち、血行を促す効果がありますが、ミョウガを食べ過ぎるとこの効果が強く出すぎてしまい、下痢や嘔吐につながる場合があります。
犬の体は千差万別で、体質的な許容範囲も異なります。そのため基本的には犬の体の大きさに合わせた量を考えて与え、多量与えることは避けるべきと考えたほうが良いでしょう。
まれに食物アレルギーを起こす
我々人間においても食物アレルギーを起こす場合がありますが、それは犬も同様です。
確率的に高くはないと思いますが、個体によってはみょうがを食べることでアレルギーを起こす可能性もあります。
そのため、まずはわずかな量から与え、少しずつ増やしていきましょう。
代表的なアレルギーにおける症状は
- 脚でしきりに身体を掻くなど、身体を痒がる行為をする
- 皮膚をかじったり舐めたりする
- 目の充血
- 湿疹やじんましん
- 嘔吐や下痢
などがあります。これらの症状がみられる場合は、すぐに動物病院に連れていくようにしてください。
ミョウガを食べ過ぎるとバカになる?
古くからの言い伝えでは、あまりたくさんみょうがを食べるとバカになると言われてきましたが、安心して良いようです。
これは、釈迦の弟子の一人「周梨槃特(スリバンドク)」という人物がいて、彼はいつも自分の名前すら忘れてしまうほど物忘れが激しかったそうです。
その彼の墓に生えていた草(みょうが)に、名前を荷って死んでいった彼にちなんで「茗荷」となずけたそうです。
犬に与えるミョウガの選び方
ミョウガは、低カロリーでありながら、食物繊維やαピネンなどの栄養素が豊富に含まれ、健康的な食生活に欠かせない食材として知られています。
しかし、ミョウガを選ぶ際には注意が必要です。
一般的に市販されているミョウガは、薬品や農薬が多く使われている場合があります。
そのため、できるだけ無農薬や有機栽培されたものを選ぶようにしましょう。
また、外見のよさだけでなく、香りや歯ごたえも重要なポイントです。
強い香りや柔らかい歯ごたえのものは、品質が低い可能性があります。
ミョウガを選ぶ際には、見た目だけでなく、品質や栄養素、香りや歯ごたえも重要なポイントとなります。
健康的な食生活を目指す人々には、ぜひ適切な選び方を心がけていただきたいです。