「トマトが赤くなれば医者が青くなる」ということわざがあるように、トマトにはビタミン、ミネラルをはじめ非常に栄養価値の高い野菜です。
結論から先に言うと、トマトは犬が食べることの出来る野菜です!
今回は犬にトマトを与えるメリットと与える際の注意点、トマトの加工品(トマトジュースやケチャップ)は食べられるのかどうかを丁寧に解説していきます。
最後に甘いトマトを見分けるコツも載せていますので参考にしてください。
犬にトマトを与えても良い理由
抗酸化作用のあるリコピンが多く含まれていて、犬が食べて害になる成分は含まれていませんが、消化はあまりよくないので積極的に与える必要はありません。
トマトと言えば「リコピン」。
シワやシミを予防してくれる効果があるので知っている方は多いかもしれませんね。
リコピンは非常に抗酸化作用が強く、細胞の老化を防ぎ、癌の発生を抑制する力があると言われています。
- 排便を促す
- 疲労回復
- 内臓脂肪を溜まりにくくする
- 皮膚の健康維持
- 怪我の治りを早める
最近では関節痛の軽減や、犬にも増えてきたとされる花粉症の症状をやわらげる効果があることも分かってきました。
トマトはこのリコピンに加え、「ビタミンC」「ビタミンE」「βカロテン」という3大抗酸化ビタミンを豊富に含んでいます。
これら4つの抗酸化物質がお互いの相乗効果でよりパワーアップして効果的に働くと考えられます。
また、トマトの皮に多い「ケルセチン」は血管を強くしなやかにして血の流れをスムーズにするはたらきがあるため、血液系・血管系の病気を防ぐことに繋がります。
また、血圧の上昇を抑制する役割もあるので高血圧の予防にもなります。
そのほか、トマトにはクエン酸や食物繊維、グルタミン酸など豊富な栄養素を含むため、トッピングや手作りごはん、おやつといった日々の食事に摂り入れることでこのような健康効果が期待できます。
トマトの犬への与え方
ミニトマト(プチトマト)でも大きなトマトでも、そのままだと大きすぎて誤嚥(ごえん)する危険性があるため、また、消化のしやすさという観点からも、できれば加熱して、ミキサーでドロドロの状態にしてから与えてください。
種は取り除かなくてOKです。
この時、ヘタは取りますが皮は付けたままにしておきます(皮や皮のすぐ下に栄養素が詰まっているため)。
適切な量は~5kgまでの子でミニトマト半粒くらい。
栄養が偏らないように、ちょっと少なめかな?という量で十分です。食べ過ぎると下痢を起こしたり、まれにアレルギーを起こしたりする子もいます。
犬が生きていくうえで必ずしも必要な食べ物というわけではありませんので、トマトが嫌いであれば無理に与える必要はありません。
好きなのであれば時々与えてあげましょう。
犬に市販のトマトジュースを与えてはいけない理由
まず、塩や砂糖、その他保存料をはじめとする添加物が入っているトマトジュースは、犬の健康面を考えると与えるべきではないと言えます。
『じゃあ果汁100%ジュースであればいいのか?』という話になってきますが、実は砂糖やビタミン類などの添加が全体の5%以下であれば”100%”と記載してもいいという決まりになっています。
なので、果汁100%のジュースが本当に果汁だけなのか、少しは添加物が入っているのか消費者である私たちには絶対にわからないのです。
犬に市販のケチャップを与えてはいけない理由
犬と生活をしていると、テーブルの上にあった食事の残りを勝手に食べられてしまうなんてことも起こりますよね。
でも、人間の食べ物が犬にとって必ずしも安全なわけではありません。
ケチャップは純粋なトマトに色々なものを加えて作られています。
まずは日本で最もポピュラーなカゴメのトマトケチャップの原材料を見てみましょう。
- トマト
- 糖類(砂糖・ぶどう糖果糖液糖、ぶどう糖)
- 醸造酢
- 食塩
- たまねぎ
- 香辛料
次にデルモンテのトマトケチャップの原材料を見てみましょう。
- トマト
- 糖類(ぶどう糖果糖液糖、砂糖)
- 醸造酢
- 食塩
- たまねぎ
- 香辛料
2社とも似たり寄ったりな感じですが、これをみて「あっ!」と思った方もきっとおられるはず。
ネギ類は犬が中毒を起こす原因物質として有名です。
ネギ類の致死量は一般的に体重1kgにつき20gと言われているので、仮にケチャップを誤食してどうにかなってしまうことはまずないとは思いますが、個体差があるので「絶対にない」とも言い切れません。
玉ねぎ以外の成分を見ても、食塩に香辛料に、犬には必要のないものばかりです。
結論、犬にケチャップを与えるのはやめておいた方がいい、ということが分かります。
犬にトマトを与える際の注意点
犬にトマトを与える際の注意点は、緑の未熟なトマトを与えないということです。
緑の未熟なトマトには「トマチン」という物質が多く含まれて、トマチンはアルカロイドという有機化合物の一種であり、毒素でもあるのです。
最悪の場合は嘔吐や下痢を引き起こしてしまう恐れがあります。
毒性のある成分で、特に花、葉、芽、茎、ヘタに多いとされています。
また、完熟トマトを与える際も、与え過ぎてしまうことによって水分の摂りすぎで便がやわらかくなることがあります。
トマトに含まれる「トマチン」の危険量
ちなみに、このトマチンによる致死量は体重50kgの人間で完熟トマト4000kg。
ということは体重5kgの小型犬の場合、400kgの完熟トマトを一気に食べなければ中毒死することはないという計算になります。
小型犬はおろか大の大人でもこんな量を一度に食べられる人はいません。
ただし、完熟する前のトマト(未熟果)や食用でない部分(花や葉)だとトマチンの濃度が上がるため、当然これより少ない量でも中毒を起こす可能性はあります。
家庭菜園などでトマトを育てているおうちは愛犬が口にしないよう注意してください。
良いトマトの選び方
最後に、甘くてみずみずしいトマトを選ぶコツをご紹介します。
ぜひマスターして愛犬に良いトマトを選んであげてくださいね!
- ヘタが緑色でシャンとしている
- つるんと丸みのある形をしている
- 重量感がある
- お尻に放射状のスジが入っている