アメリカではデザイナーフーズ(がんの発生を抑制するとされる食品)として扱われるなど、いま最も注目を集めている食べ物と言っても過言ではないブロッコリー。
結論から先に言うと、ブロッコリーは犬が食べてもいい食べ物です!
ただし体にいいからと言って毎日のようにバクバク食べさせるのはやめてほしい食品でもあります。
特に、甲状腺と結石の病気がある子には与えないでください。
今回は犬にブロッコリーを与えるメリット、デメリットのほか、正しい与え方と注意点を解説していきます。
犬にブロッコリーを与えるメリット
ブロッコリーは抗酸化作用が非常に強力であることが知られていますので、犬に食べさせることは良いことです。
成分的には「ビタミンC」「βカロテン」「ルテイン」「グルタチオン」がこの役割に当たり、それぞれ細菌やウイルス、冒頭に挙げたガンなどに対しての抵抗力を高めるはたらきがあります。
特にビタミンCの含有量は野菜の中でも間違いなくトップクラス。病原菌への抵抗力に合わせて、ケガややけどなど傷の治りを早める作用も期待できます。
また、ブロッコリーをはじめアブラナ科の野菜には「スルフォラファン」という独特の栄養素が含まれていて、生命維持に必須ではないものの解毒物質を活性化しさまざまな病気から体を守ってくれるため『第7の栄養素』と呼ばれています。
他にもブロッコリーにはクロム、食物繊維、ビタミンB2、ビタミンU、ビタミンEなどが含まれているため、手作りごはんなどで日々の食事に摂り入れることで次のような健康効果が期待できます。
- 白内障の予防
- ストレスに負けない力
- 体内の毒素の排出
- 糖尿病の予防
- 血中の脂質濃度を正常に戻す
- コレステロールの代謝を促す
ブロッコリースプラウトも犬に与えて大丈夫!
ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)も犬に与えられる食材です。
むしろ、上の項で解説した「スルフォラファン」は成長過程でだんだんと失われていく性質があるため、ブロッコリーよりもブロッコリースプラウトの方が50倍多く含まれているんだそう。
ちなみにごくたま~に見かける『ブロッコリースーパースプラウト』というものをご存知でしょうか?
「ブロッコリースプラウト」と「ブロッコリースーパースプラウト」では何が違うのかというと、これはスルフォラファンの含有量が違うようです。
ただでさえ多い普通のスプラウトの約3倍というから驚きですよね。
ブロッコリーを与える際の注意点
ブロッコリーのビタミンC量は野菜の中でもトップクラス、とお伝えしましたが、同時にとても水に溶けやすいことでも知られています。
さっと火を通す程度にして、ビタミンCや熱に弱い酵素の流出を最小限にとどめましょう。
そしてできれば消化のしやすいように細かく切り刻んであげてください。
ブロッコリーは、犬も人間と同じで生では食べさせてはいけません。
それから、ブロッコリーの芯・茎は太くて硬いので、食べてはいけないことはないのですが、消化のことを考える葉っぱの部分のみが望ましいでしょう。
また、ブロッコリーは栄養価が高い食品ですが、大量に摂ると甲状腺の機能が低下してしまいます。
もともと甲状腺に病気を持っている子はブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜(キャベツ、小松菜、大根など)は避けた方がいいでしょう。
あとはシュウ酸も少なからず含みますので、結石ができやすい体質の子、過去に1度でもできたことがある子は避けるのが無難です。
さらに言うと、ブロッコリーでアレルギー(痒み、嘔吐、下痢など)を起こす子が少なからずいるみたいなので、初めて与える際はほんの少量のみにして様子を見てください。
農家が教える良いブロッコリーの選び方
それでは最後に、美味しいブロッコリーの選び方をご紹介して締めたいと思います。
良いブロッコリーを見分けるコツは主に以下の6つです。
- つぼみ部分が濃い緑色をしている
- 他のものよりサイズが大きい(熟している証拠)
- つぼみや茎に黄色く変色している部分がない
- 断面に穴(空洞)がなく実が詰まっている
- 断面に黒ずみがない
- つぼみは隙間がなく密集している
スーパーでもし紫がかったブロッコリーを見つけたらラッキー!
お日様の光を存分に受けて育った証なので甘みが強く、緑のブロッコリーにはない「アントシアニン」が豊富に含まれています。運よくゲット出来たら愛犬にも食べさせてあげましょう。