犬にぶどうを与えると危険!中毒症状とその理由に迫る

犬にぶどうを与えると危険!中毒症状とその理由に迫る

犬にぶどうを与えることは非常に危険であり、中毒症状を引き起こす可能性があります。

ぶどうやレーズンの摂取は、犬に急性腎不全を引き起こすことが報告されており、嘔吐、下痢、食欲不振などの症状が現れることがあります。

ぶどう中毒の正確な原因はまだ特定されていませんが、犬がぶどうを食べた場合は、すぐに獣医師の診察を受けることが推奨されています。

そこで今回は、犬にぶどうを食べさせる危険性についてとことん掘り下げていこうと思います。

目次

犬にぶどうを与えてはいけない理由

犬にぶどうを与えてはいけない理由

ぶどう中毒とは何か

犬にぶどうを与えると、中毒を引き起こす可能性があるため非常に危険です。

ぶどう中毒とは、犬がぶどうやレーズンを摂取した際に発生する中毒症状のことを指します。

この中毒症状は2001年にアメリカで初めて報告され、獣医師によってその危険性が広く知られるようになりました。

日本でも、ぶどうや、ぶどうの皮、レーズンなどを摂取して死亡した症例が報告されています。

3 歳,雄,体重2.5kg のマルチーズが,種なし小ブドウ約70 グラムを食べた5 時間後から始まった嘔吐と乏尿を訴えて摂取2 日後に来院した.血液検査では重度の高窒素血症,高カルシウム血症,高リン血症,および高カリウム血症が認められた.利尿剤,ドパミン,点滴による治療を3 日間試みたが無尿となり,ブドウ摂取4 日後に死亡した.腎臓の病理組織検査では近位尿細管上皮細胞の著しい変性壊死が認められた.これらの臨床および病理組織学的所見からブドウ中毒と診断した.

日本小動物獣医学会誌:ブドウ摂取後に急性腎不全を発症して死亡した犬の1例

ぶどうを犬に与えてはダメなのはなぜかというと、体内での代謝過程が人間とは異なり、ある種の成分が犬にとって毒性をもたらすからです。

主要な中毒症状

犬がぶどうを食べたときに起こる中毒症状には、嘔吐や下痢、食欲不振、腹痛などがあります。

これらの初期症状は通常、数時間から6〜12時間以内に発現します。

また、症状が進行すると急性腎不全を引き起こす可能性があり、最悪の場合、24〜72時間後に死亡する危険性もあります。

犬がぶどうを一粒食べてしまった時でも、症状の進行を抑えるためには迅速な対応が必要ですので、すぐに動物病院に相談することが重要です。

原因となる成分の不明確さ

ぶどう中毒の原因物質については、現在も不明な点が多く残されています。

考えられる要因としては、農薬やカビ毒、あるいはぶどう由来の未知の成分などがありますが、これらはすべて仮説の域を出ません。

さらに、特定の犬だけが中毒を引き起こす事例もあり、特異体質が影響している可能性もあるため、正確な原因の特定は非常に難しい状況です。

このように原因がはっきりしないため、ぶどうやそれを使用した製品は犬には一切与えないように注意が必要です。

ぶどう中毒の具体的な症状と進行

ぶどう中毒の具体的な症状と進行

犬がぶどうで中毒を起こすと、食べて数時間で腹痛や下痢、嘔吐をくり返すようになり、その後、腎不全を発症する場合があります。

症状は食後2~3時間で現れることが多く、その後急激に悪化し最悪の場合死に至ることがあるため、誤飲したことがわかっている場合は早めに病院へ連れて行き処置をしてもらいましょう。

最悪の場合、1日で命を落とすケースもあります。

1粒で中毒になる犬もいれば3粒食べても何も症状が出ない犬がいたりと、個体差がありますが、分量に関係なく、ぶどうは絶対に食べさせないようにしましょう。

中毒を起こす目安としては、体重1kgあたりぶどう32gという説が一般的です。(体重5kgの犬で大粒タイプのぶどう一房の半分くらい)

初期症状: 嘔吐と下痢

ぶどうを犬に与えてはダメなのはなぜかというと、犬がぶどうやレーズンを摂取することで、中毒症状が現れる可能性があるからです。

犬がぶどうを食べたときに最初に見られるのが嘔吐と下痢などの初期症状です。

これらの症状は摂取後6〜12時間以内に発症することが多く、早い場合では数時間以内に現れることもあります。

食欲不振や腹痛を伴うこともあり、症状が進行するとさらに深刻な状態に陥る可能性があります。

犬がぶどうを一粒食べてしまった場合でも、すぐに獣医師に相談し、早期に適切な対処を行うことが重要です。

重症化: 急性腎不全

初期症状が現れた後、場合によっては症状が重症化し、急性腎不全に至ることがあります。

急性腎不全になると、犬の腎臓が正常に機能しなくなり、老廃物が体内に蓄積します。

これにより、全身状態が悪化し、放置すると24〜72時間以内に非常に危険な状態に陥ることさえあります。

中毒症状が発覚した場合、すぐに動物病院に連絡を取り、早急に治療を受けることが必要です。

重症化を防ぐためにも、犬には一切のぶどう類を与えないことが最善の予防策です。

ぶどう中毒の応急処置と予防

動物病院

もし犬がぶどうやレーズンを食べてしまったときは、すぐに動物病院に連れて行き、催吐処置や胃洗浄を行うのがベストだと考えられます。

ですから、食べたことを確認したのであれば、すぐに動物病院へ連絡をし「いつ、どれくらいの量を、どう食べたのか(皮ごとなど)、犬の今の状態」を伝えて相談しましょう。

食べた量が多い場合は、症状が出ていなくてもすぐに動物病院へ連れて行ってください。

中毒を起こした際の応急処置

犬がぶどうを食べてしまった場合、速やかに応急処置を施すことが重要です。

まず、犬がぶどうやレーズンを摂取したことが判明したら、できるだけ早く動物病院に連絡を取り、獣医師の指示を仰ぎましょう。

獣医師は症状の進行を遅らせるために、嘔吐を誘発したり活性炭を投与したりすることがあります。

特にぶどうを摂取してから数時間以内の措置が重要で、腎障害の予防につながることがあります。

また、万が一に備えて、ペット保険の検討も有用です。

ぶどうの誤食を防ぐ方法

犬に対するぶどうの誤食を防ぐためには、いくつかの方法があります。

まず、ぶどうやレーズンを犬の手の届かない場所に保管することが基本です。

棚の上や閉じたキャビネットに置くなど、安全な場所を選んでください。

また、ぶどうを使った食品(レーズンパンやお菓子など)にも注意が必要で、犬が誤って食べることのないようにするべきです。

家族にも、その危険性と保管の重要性を共有することが大切です。

これにより、「犬がぶどうを一粒食べてしまったのですが、どうしたらいいですか」という事態を未然に防ぎましょう。

犬にマスカットやレーズンなら大丈夫?それともダメ?

レーズン

マスカットやレーズンもぶどう同様、はっきりとした原因が突き止められていない以上、リスク回避のために与えないほうがいいと思います。

特にレーズンは一粒一粒は小さいながらも成分がギュッと凝縮されているため、間違っても大量に食べてしまわないよう注意が必要です。

当然、レーズンパンやレーズン入りクッキーも犬の手が確実に届かない場所に保管する必要があります。

ちなみにレーズンを食べて中毒を起こす目安量は11~30gと言われています。

ですがこれは前述の通り個体差が激しく、これ以上食べても平気な子もいればもっと少しの量で中毒を起こす子もいることを頭に入れておかなければなりません。

まとめ

有害物質は犬の体内で処理できず、中毒や消化不良を引き起こし、命に関わる危険があります。

犬を愛するなら、与えてはいけない食品について知識を深め、注意して選びましょう。

ぶどうはさっぱりと口当たりが良く、誰が食べても問題ないように思えますが、「たった1粒」でもリスクがあることを忘れないようにしましょう。

  1. ぶどうを食べると急性腎不全を発症する可能性アリ
  2. 症状は急な食欲不振、元気消失、嘔吐下痢、乏尿など
  3. 危険な目安は生ぶどう32g、レーズン11~30gくらい

急性腎不全は処置が遅れると命を落としかねない怖い病気なので、ぶどうを誤飲したことが分かっている場合は症状が出ていなくても出来るだけ早く病院へ連れていくことをおすすめします。

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