ナスは夏野菜の定番の野菜の1つであり、家庭菜園で育ててみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
ナスは放置してもたくさん収穫できるほど難易度が低いわけではないですが、定期的に管理をしておけば家庭菜園でも多数収穫する事が可能な野菜です。
決して難しい管理が必要なわけではないので、家庭菜園向きの野菜ともいえます。
ここでは、そういったナスの栽培方法を紹介していきます。
- 日当たりの良い環境で育てる
- 多湿な環境を好むため水分不足・乾燥を避ける
- 定期的に追肥を行うことで長く収穫が可能
- 種からでも育てられるが、苗から育てるのが簡単
- 整枝をして2本仕立てまたは3本仕立てにし、過繁茂を避ける
- 支柱で株をサポートし、株が傾いたり倒れたりしないようにしておく
- 夏に一度切り戻しを行うことで、秋に再度収穫を楽しめる
- 連作障害があるため、過去に同じナス科野菜を育てた場所では4年程度間隔を開けてから育てる
科名 | ナス科ナス属 |
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別名 | ナスビ |
原産地 | インド |
分類 | 一年草 |
耐暑性 | 強い |
家庭菜園でナスを栽培するコツ
家庭菜園でナスを栽培するにあたり、
- 日当たりの良い環境で育てる
- 水分不足や肥料切れに注意する
- 整枝を行う
- 夏に一度切り戻しを行う
日当たりの良い環境で育てる
ナスは日当たりの良い環境を好みます。日当たりが悪いと生育が悪くなり収量が少なくなる傾向にあるので、できる限り日当たりの良い環境で育てましょう。
目安としては半日程度(5~6時間程度)は直射日光が当たる場所で育てると良いです。
水分不足・肥料切れに注意する
ナスは比較的多湿な環境を好むので、特にプランター栽培の場合は水切れに注意しましょう。地植えの場合も、雨が降らず乾燥が酷い場合は、適宜水やりを行うと良いです。
また、ナスは収穫期以降は多数の栄養を必要とするため、肥料切れにも注意しましょう。
剪定作業が必要
ナスは「整枝」を行う必要があり、2~3本の枝を伸ばし残りの側枝は摘み取ります。
2本の枝を残す場合は「2本仕立て」3本残す場合は「3本仕立て」となりますが、どちらの仕立て方法を選択しても構いません。
夏に1度切り戻しを行う
ナスは6月頃から収穫ができますが、7月下旬頃をめやすに一度切り戻しを行います。
1度切り戻しを行うと一時的に収穫が中断しますが、秋になると再度収穫ができるようになり、トータルで見ると多くのナスを収穫できます。
連作障害に注意する
ナスをはじめとするナス科野菜には連作障害があります。
そのため、同じナス科野菜を育てた場所では、一定期間は間隔を開けてから育てる必要があります。
ナス栽培を始めるには種から?それとも苗から?
ナスは種から育てることもできますが、苗から育てるのが簡単です。
というのも種から育てた場合、6月頃から収穫すると考えた場合、種まき時期が冬の終わりごろになってしまい、この時期に種から育てるとなると加温が必須になります。
ナスの育苗はすごく難しいわけではないですが、良い苗を育てるとなると多少の知識や経験なども必要とされ、基本的にはホームセンター等で売られている苗から育てるほうが失敗は少なくなります。
それでも種から育てる楽しさもありますから、やってみたいと思う方はあえて種から育てる事に挑戦してみるのも良いかもしれません。
種も苗もホームセンターや園芸店などで販売されています。
苗を購入する際、良い苗を選ぶために見ておきたいポイントは以下の通りです。
- 葉が大きく色が濃い
- 病害虫がついていない
- 本葉が7~9枚ほどで、一番花が確認できる
- 茎が間延びせずしっかりしている
これらのような苗を選ぶと、元気な苗を選ぶことができ、成功する確率が高くなります。
また、やや値段は高いですが接ぎ木苗を購入すると病害虫や連作障害に強くなり、失敗が少なくなります。
ナスの植え付け時期
ナスの植え付け時期は5月頃が適期で、この時期に市販されている苗や種から育てた苗を定植して育てていきます。
ナスは寒さに弱いので、暖かくなってから植えつけるのが基本です。
ナスの種まき時期
育苗に要する期間は約2か月半ほどなので、5月の植え付け時期に間に合わせるには2月の中盤~3月あたりには種をまく必要があります。
寒い時期から種をまくので、温度管理が必要になります。
収穫時期が遅くなりますが5月頃に播くことは可能で、その場合は加温しなくても育てることが可能です。
5月の終わり頃に種を播くと、一般的に美味しいと言われる秋ナスを最初から楽しむこともできます。
収穫時期
ナスの収穫時期は6~10月ごろで、初夏から秋まで収穫する事が可能です。
ナスは紫色の花を咲かせます。花が枯れた後にナスの果実ができるので、その果実を収穫します。
収穫時期の目安は開花後3週間ほどとなります。
なお収穫時期が遅れると皮が硬くなって食味も落ちてしまいますので、収穫時期を逃さないようにしましょう。
ナスの生育に適した場所
ナスは日当たり・風通しの良い場所を好み、日当たりが悪い場所だと生育が悪くなります。
ナスには連作障害があるので、一度ナス科の植物を育てた場所の場合、3~4年程度は期間を開けてから栽培します。
なおプランター栽培の場合は、土を別のものに入れ替えれば同じ場所で育てることもできます。
生育適温
ナスの生育適温は22~30℃ほどとなっていて、高温多湿な環境が適しています。
そのため、日本の夏の気候にも適応できる野菜といえます。
土壌pHは6~6.5程度が適切で、土が酸性に傾いている場合は石灰等を散布します。
耐寒性 | 弱い |
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耐暑性 | 強い |
好適土壌pH | 6.0~6.5 |
連作障害 | あり(4年程度) |
ナス栽培で必要な道具
ナスを栽培するにあたって、主として必要になる道具は以下の通りです。
栽培を始める前にそろえておくと後の管理が楽です。
プランターでナス栽培を始める場合
- プランター
- 野菜用の培養土
- 追肥用の化成肥料
- 鉢底石や鉢底ネット
- ナスの苗
- 支柱
- ハサミ(収穫や整枝などに用いる)
地植えでナス栽培を始める場合
- 石灰
- 堆肥
- 化成肥料
- ナスの苗
- 支柱
- ハサミ(収穫や整枝などに用いる)
- 敷き藁orマルチング
ナスの種まきの方法
種まき時期 | 2~5月 |
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発芽適温 | 25~30℃ |
まき方 | 嫌光性種子 |
発芽日数 | 5~7日ほど ※気温が低いと発芽まで時間を要します |
発芽から収穫までの期間 | 3か月ほど |
ナスの発芽適温は25~30℃ほどとなっていて、最低でも20℃程度に達しないと発芽しなくなる傾向にあります。
昼と夜で適度に寒暖差があった方が、発芽しやすくなるとされます。
種まき時期は2~5月ですが、初夏から収穫を楽しみたい場合は、2月か遅くても3月には種を蒔く必要があります。
先ほども述べたように、早い時期に蒔く場合は温室等の加温設備が必要になります。
家庭の場合、ホームセンターなどで販売されている簡易温室を用いれば良いでしょう。
種は育苗箱またはポットに蒔きますが、ポットまきで管理するのが簡単です。
ポットに蒔く場合、1ポットあたり3~4粒程度の種をまき、本葉が数枚になるまでに1ポットあたり生育の良いもの1本を残して間引きます。
育苗箱に蒔く場合は、育苗箱に土を入れ、深さ1cmほどの溝を掘ってスジまきをします。
覆土は5mm程度が適しています。
本葉が2枚程度になれば、育苗箱からポットに移してください。
昼の気温が25℃以上に達するような暖かい時期に蒔く場合、そのまま直播き(プランターや畑に直接種をまく)することも可能です。
ナスの植え付け方法(プランターの場合)
ナスをプランターに植えるための用土作り
ナスのプランター栽培では、ホームセンターで売られているような野菜用の培養土を利用すればOKです。
自分で用土を作る場合、赤玉土と腐葉土または堆肥を6:4~7:3程度に混ぜ、元肥や石灰を施したものを利用すれば良いでしょう。
ナスをプランターで栽培するときの植え付け方
プランターの底に鉢底石または鉢底ネットなどを敷いた後、あらかじめ用意しておいた培養土をプランターに入れます。
培養土を入れた後、植える部分にポットの大きさより少し大きい程度の穴を掘り、用意した苗を植え付けます。
苗はホームセンターや園芸店で購入できますし、種から育ててもOKです。
一番花が咲く頃ぐらいの苗が定植に最も適しています。
複数のナスを植える場合、最低でも60cm~ほどの長さのプランターを用意し、株間30cmほどは設けるようにしてください。
密集させてしまうと根を張るスペースがなくなってしまい、生育が悪くなってしまいます。
単独で育てる場合も、30cm~程度の大きさの鉢を用意するのがベターで、あまり小さいものだと根の張りが悪くなる場合があります。
ナスをプランターで栽培したときの水やり
プランター栽培でナスを育てる場合、乾燥を避けるため定期的に水やりを行う必要があります。
ナスは水分管理が大事な野菜であり、乾燥した環境だと生育が悪くなってしまいます。
特にプランター栽培の場合、地植えと比べると乾燥しやすいので注意が必要です。
ナスの植え付け方法(地植えの場合)
ナスを地植えするための用土作り
植え付けの2週間前を目安に土づくりを行います。
ナスの生育に適した土壌のpHは6.0~6.5です。植え付け地の土壌が酸性に傾いている場合、植え付けの2週間前までに石灰を入れましょう。
土の酸度は市販のpH測定器で簡単に測定できます。
植え付けと同時に石灰を入れると根を傷めてしまう可能性があるので、石灰散布は植え付けの前に済ませるようにしてください。
さらに植え付けの1週間前を目安に堆肥と元肥を入れます。土づくりが終わった後は、畝を作っておきましょう。
ナスを地植え栽培するときの植え付け方
地植え栽培の場合、株間を40~50cmほど空けて苗を一株ずつ植えていきます。
また黒マルチを利用すると、雑草防止に役立つのでおすすめです。
マルチを使用しない場合も、株元に藁などを敷いておく(敷き藁)ことで乾燥や泥の跳ね返り(病害虫の発生につながる場合もあります)などを防げます。
ナスを地植え栽培したときの水やり
地植えの場合は、プランター栽培の時のような定期的な水やりは基本的に必要ありませんが、ナスは乾燥が苦手なので、必要に応じて水やりを行うと良いでしょう。
地植えにおいても、雨が降らない時期が続くといった場合は乾燥に注意が必要です。
ナス栽培では2本または3本立てに整枝する
ナスはそのまま育てていると過繫茂になってしまうため、必要に応じて整枝をする必要があります。
そうすることで果実に栄養が行き渡り良いナスを収穫できるようになります。
過繁茂になってしまうと、茎や葉などに多くの栄養が行き渡ってしまうため、その結果果実に十分な栄養が行き渡らなくなります。
その結果、あまり実がならなかったり、質の悪い実ができてしまいます。
また整枝をすることで風通しも良くなるため、病気のリスクを減らすことにもつながります。
最初に行う整枝は、一番花が咲いたときに行います。一番枝が咲いた枝(主枝)とその下から出る側枝の2本のみを残し、残りの側枝(=わき芽)は摘み取ります(2本仕立て)。
最初に咲いた花より下のわき芽2本を残し、それ以外を摘む「3本仕立て」にする場合もあります。
家庭菜園においては、どちらの仕立て方法でも構いません。
ナス栽培では支柱が必要
定植後は株が傾いたり垂れたりしないよう、1株あたり1本の支柱を立て、麻ひもなどで誘引しサポートします。
支柱は120~150cm程度の長さの物を利用するのがおすすめです。
あまり株と近い位置に支柱をさすと根を傷める可能性があるので、株からは少し離した位置に立てるようにすると良いです。
ナス栽培における追肥
最初の追肥は1番果収穫の時期から行い、以後は2週間に1度ほどのペースで化成肥料を追肥していきます(固形肥料の場合)。
ナスは多くの栄養を必要とするので、肥料切れには注意します。
なお初期に肥料を与えすぎると過繁茂等の原因にもなるので、予め元肥をやっているなら追肥は身がなり始めた時期から行えばOKです。
肥料を株元付近にそのままおいてしまうと根を痛める場合があるので、少し離して与えておいてください。
ナスの株元の葉は摘葉しておく
ナス栽培では、株元の葉は摘み取ってしまうのが基本です。
摘葉を行うことで風通りがよくなるほか、果実に日が当たりやすくなります。
また株元の葉は病害虫の住処にもなりやすいので、摘み取ってしまうことで病害虫の予防にもなります。
夏に切り戻しを行うと、秋までナスの収穫が楽しめる
ナスは6月頃から収穫が可能ですが、しばらく収穫していくと株が次第に疲弊してきます。
そのため7月下旬ごろを目安に、一度切り戻しをしてしまうのがおすすめです。
切り戻しをすると一時的に収穫がストップしますが、その間に株を回復させることができるため、秋になると再度収穫を楽しめるようになります。
切り戻しを行って3~4週間経過すると、再度収穫時期を迎えます。
切り戻しの際はそれぞれ伸びている枝において、2節前後を残し残りの部分を切るといった形で行います。
一番花または一番果を摘み取る
寒い時期や株が小さい時期にできてしまった一番花(あるいは一番果)に関しては、あらかじめ摘み取ってしまった方が良いとされます。
果実をつくるには養分を必要とするので、そういった段階で実をならせてもうまく実が出来ない場合があることや、株を消耗させるのを避けるのが主な理由です。
なお株が既にある程度育っているなら、摘み取らなくても問題ない場合も多いので、摘み取るかどうかは苗の成長状態を見て判断してください。
ナスの収穫
ナスの収穫時期は開花後3週間ごろを目安に、適度な大きさに育ったものからハサミで切って収穫していきます。
収穫時期が遅くなると実が固くなってしまうので、美味しいナスを収穫するには収穫時期を逃さないようにしましょう。
花の状態に注意しよう
栽培がうまくいっているかを確認するための簡単な方法の1つが、ナスの花の状態を観察することです。
ナスの花は状態が通常めしべの長さがおしべの長さより長くなります。
こういった花が咲いているのは、ナスに栄養がいきわたっていて、健康な株であることを示す1つのサインです。
めしべが長いことで受粉がうまくいきやすく、良いナスを収穫できます。
他方でおしべの長さがめしべの長さよりながかったり、同じ長さだったりすると、受粉がうまくいかなくなり実がなりにくくなります。仮に受粉ができたとしても、収穫できるナスは実が硬いなど、あまり状態が良くないものになることが多いです。
栄養分が十分にいきわたっていないような状態だと、こういった花になりやすくなります。
ナスのこういった傾向から、適宜咲いている花のおしべとめしべの部分を観察しておくことで、その株の調子を把握できます。
花の状態が悪い場合、考えられる理由としては
- 水分が足りていない
- 肥料が足りていない
- 日当たりが悪い
- 気温の高すぎ・低すぎ
などがあります。
ナスの主な病害虫
ナスに病害虫が発生すると、生育に影響が出てしまうので、適宜観察して対処するようにしましょう。
ナスに発生する病害虫の中で主なものは以下の通りです。
アブラムシ
おもに黄緑色をした1~2mmほどの小さな虫で、葉や茎から汁を吸います。
飛んだりすることは少なく、ずっと植物の葉や茎に居座って汁を吸っています。
アブラムシの被害が出ると葉が縮んだりするほか、ウイルス病を媒介する場合もあるので、なるべく早く駆除しないと被害が大きくなってしまいます。
アブラムシは繁殖力が強いので、少数のうちに見つけるのがポイントです。
ハダニ
おもに葉の裏に発生し、大きさは大きくても0.5mm程度なので肉眼で確認するのは難しいです。
ハダニは葉に棲みついて汁を吸引した結果、葉緑素が抜け、その跡が褐色あるいは白色の点として残ります。
多く発生すると葉が枯れてしまい、植物全体の成長にも影響してしまいます。
アザミウマ
小型で細長い体をした昆虫の一種で、昆虫とは言っても大きさは1~2mm程度であるため、見つけづらい害虫です。
アザミウマは葉の汁を吸い、その結果跡が白い斑点のような形で残ったり、葉が委縮したりします。
またウイルス病を媒介することもあるので、被害が大きくなる前に対処する必要があります。
ニジュウヤホシテントウ
一般の方が想像するようなテントウムシはアブラムシを食べてくれる益虫ですが、こちらのニジュウヤホシテントウ(別名テントウムシダマシ)は、主にナス科の植物の葉を食害する害虫です。
名前の通り多くの黒い斑点(星)を持ち、くすんだ赤茶色のような色をしています。
一般的なテントウムシと比べると見た目はきれいではなく、見分けることは特段難しくありません。
ニジュウヤホシテントウは肉眼で確認可能で、見つけた際は捕殺してしまいましょう。
多数発生していなければ、捕殺で対処することも可能です。
菌核病
菌核病はカビの一種である菌によって発生する病気です。
菌核病の症状は茎に発生する事が多く、最初は水に浸したような病斑が現れます。
進行すると次第に病斑部が白い菌糸(綿のようなカビ)で覆われてしまいます。
うどんこ病
葉に名前の通りうどんの粉をまぶしたような病斑が現れる病気で、糸状菌と呼ばれるカビが原因とされます。
窒素過多や密植状態だと、発生しやすくなるとされます。
進行すると生育に影響も出ますので、見つけ次第対処が必要です。
ナスの豆知識
ナスはナス科に属する代表的な夏野菜の1つで、煮物や炒め物、天ぷら、漬物など様々な用途に利用できます。
初夏から秋にかけて結実する果実を食用にしています。
ナスはインド原産といわれていて、暑さや多湿に強いため、日本の気候でも育てやすい野菜です。
いっぽう寒さには弱いので、日本の気候で冬越しすることは難しく一年草として扱われます。
一年草とは、種まきから枯れるまでのサイクルが1年以内に完了する植物をいいます。
内側の果肉は白に近い色ですが、外側の果皮は一般的には黒紫色をしていて、これは「ナスニン」と呼ばれる色素に由来します。
ナスには多数の品種があり、品種によっては果皮が白色や黄緑色をしていたり、縞模様が入るものなどもあります。また形も品種によって様々です。
ナスの種類
ナスには様々な種類があり、種類によって形や色に違いがあります。
また色や形だけでなく、味や食感も微妙に異なるため、それぞれ適した料理も異なります。
中長ナス(千両ナス)
最も一般的に流通しているナスの1つで、大きさは12~15cmほどです。
最も流通量が多いナスとなっていて、スーパーなどでもよく見かけます。
品種名としては「千両ナス」などといったものが有名で、用途もオールマイティに使用できます。
長ナス
名前の通り縦長の形をしているナスです。
果皮が薄い傾向にあり、煮物などに向いています。
米ナス
アメリカのナス(ブラックビューティー)を日本でも栽培しやすいよう改良したものとされています。
皮が硬く果肉もしっかりしているので、煮崩れしにくいのがメリットです。
丸ナス
名前の通り丸い形をしたナスで、京都の賀茂ナスなどが有名です。
ボールの様にまさに「丸」に近い形をしたものもあれば、やや下側が膨らんだような形をしたものもあります。
白ナス
通常のナスのような黒紫色の色素を持たないため白色やそれに近い色をしています。
一見珍しいナスですが味も良いため根強い人気があり、中には加熱するとややとろっとしたような食感になることから「トロナス」と呼ばれたりするものもあります。
ナスの栄養
ナスは栄養面に関してもビタミンやミネラルがバランスよく含まれていて、食物繊維も豊富であるため健康増進にも役立ちます。
ナスは水分が多いためか栄養が少ないと言われることもありますが、実際はナスはバランスよく栄養が含まれている野菜なので、誤解と考えて良いでしょう。
すべての栄養成分を確認したい場合は、文科省の食品成分表を参照してください。
ナスの葉は食べられる?
ナスの茎葉にはアルカロイドという毒が含まれていることに加え、とげもあるので基本的に食用には不向きです。
そのため、ナスは実のみを食用にするのが基本です。
ナスのスーパーでの平均価格
ナスのスーパーでの価格は1つあたり40~70円程度ですが、旬である夏は価格が安くなり、冬~春にかけては価格が高くなります。
ナスは夏~秋にかけて収穫できますが、夏ナスと秋ナスでは、夏に収穫されたナスの方が価格は安くなる傾向にあります。
それ以外の季節に販売されているナスは、主にハウス栽培などで育てられたものです。
ナスの収穫後の保存方法
ナスは野菜室で保存するのが基本です。秋であれば2~3日程度なら常温保存も可能です。
新聞紙等でくるんでおくと、乾燥を防ぐことができ持ちがよくなります。
すぐに使わない場合は、適当な大きさにカットして冷凍して保存しましょう。
ナスと相性の良い野菜(コンパニオンプランツ)
寄せ植えをするなどして同じ場所で育てた場合に、互いにいい影響を及ぼしあう植物の組み合わせを「コンパニオンプランツ」と呼びます。
ナスと相性が良いコンパニオンプランツとしては、以下のようなものが挙げられます。
- パセリ
- バジル
- マメ類
- ニラなどのネギ類
- ナスタチウム
- パセリ
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パセリの香りはナスにつく害虫を遠ざける効果があり、ナスもまたバジルにつくアゲハの幼虫を遠ざける効果があります。またバジルは草丈が小さいので、ナスの日当たりに対して邪魔になることもなく、乾燥を防ぐこともできます。
- バジル
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ナスにつくアブラムシやニジュウヤホシテントウなどを遠ざける効果があります。
バジルは背丈が大きくなり、近い距離に植えると邪魔になる場合もあるため、少し間隔を開けて植えるほうが良いでしょう。
- マメ類
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マメ類の根粒菌の働きにより、土壌が肥沃になってナスに良い影響を与えます。
- ニラなどのネギ類
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ニラなどのネギ類の根には病原菌を抑制する効果があるため、ナスと一緒に植えることで青枯れ病などの病気防止に役立ちます。
根が近いほど高い効果を期待できるので、なるべく近づけて植えるようにしましょう。
- ナスタチウム
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ナスタチウムは別名を金蓮花(キンレンカ)と呼ぶ、美しい花を咲かせる植物で、観賞用として育てられることが多いですが、食用として利用される場合もあります。
ナスタチウムの香りにはナスの害虫を遠ざける効果があることで知られています。またナスタチウムは横に這う性質を持っているので、マルチング効果もあります。